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クラウド診断チーム
2024年8月19日
クラウド環境は昨今のビジネスにおいて欠かせない技術です。しかし、その便利さと効率性の背後には、設定ミスによって引き起こされるリスクが潜んでいます。この記事では、クラウド設定のミスがどのように企業に深刻な影響を及ぼすか事例を交えて紹介し、クラウド設定評価サービスがなぜ必須であるかについて解説いたします。
クラウドストレージの設定ミスで、数千人の顧客情報がインターネット上に公開されました。公開された情報には、名前、住所、電話番号などが含まれています。
この問題は、クラウドストレージのアクセス設定を間違えて「パブリック」にしてしまったことが原因です。通常、こうした重要な情報は「プライベート」に設定し、限られたユーザーだけがアクセスできるようにするべきです。この設定ミスで、顧客データは悪意のある攻撃者だけでなく、一般のインターネットユーザーにも見られてしまいました。
このデータ漏洩によって、企業は信頼を失い、法的な問題や顧客からの賠償請求、さらにはブランドイメージの損傷といった大きな損害を受けることになりました。
クラウドデータベースの設定ミスで、企業の重要な商業秘密が競合他社に漏洩しました。漏洩した情報には、機密性の高い製品設計図、未公開の財務報告書、内部戦略文書などが含まれています。
この問題は、特定の重要なデータベースへのアクセス権が間違って多くのユーザーに与えられてしまったことが原因です。通常、重要なデータベースへのアクセスは最小限のユーザーに制限するべきです。この設定ミスにより、情報が外部に流出し、企業は数億円規模のビジネスチャンスを失い、市場での競争優位性を大きく損ないました。さらに、この情報漏洩は企業の株価にも影響を与え、株主からの信頼も大きく失う結果となりました。
クラウドサーバへの不適切な負荷考慮設定が原因で、大規模なオンラインサービスが数時間にわたって停止しました。突然のトラフィックの急増にサーバーが対応できず、サービスが完全にダウンし、顧客満足度の低下、売上の損失、そして市場での信頼度の低下を招くこととなりました。
この問題は、ロードバランサーと自動スケーリング設定の不備が原因です。通常、トラフィックの増加に伴い自動的にリソースが割り当てられ、サービスが安定して提供される必要がありますが、誤設定により、スケーリングに失敗し、結果的にサービスが停止してしまいました。
サービス停止により、数百万ユーザーがサービスを利用できなくなり、企業は顧客の信頼を大きく損ねました。また、復旧作業には時間がかかり、その間に企業は顧客からの苦情、メディアからの批判、そして競合他社に対する優位性の失墜といった多方面からの圧力を受けることとなりました。
クラウド技術の普及により、企業のデータ管理や業務運営が劇的に変化しました。しかし、この技術革新がもたらす多くの利点と同じく、新たなリスクもまた増加しています。特にクラウド設定のミスは、企業にとって予想もしない大きなトラブルを引き起こす原因となることがあります。ここでは、クラウド設定ミスが発生する主な原因を分析し、その深刻な影響にはどんなものがあるのか確認してみましょう。
クラウド環境の設定は非常に複雑で、正確な設定を行うには専門的な知識が必要です。多くのクラウドサービスでは、セキュリティポリシー、アクセス権限、ネットワーク設定、リソース管理など、多岐にわたる設定項目を適切に管理する必要があります。しかし、これらの設定が直感的でないことが多く、設定ガイドが十分でない場合もあります。その結果、設定作業を行う担当者が重要なポイントを見落とし、意図しない設定ミスを犯すことがあります。
たとえば、クラウドストレージのアクセスポリシーを「パブリック」に設定するだけで、機密情報がインターネット上に露出する危険があります。このような些細な設定の誤りが、データ漏洩やサービスの不正利用という大きなセキュリティインシデントを引き起こすことがあります。
クラウド設定の正確さを確保するためには、運用する担当者への適切な教育が不可欠です。しかし、技術の進化に対して教育が追い付かない場合や、不十分な場合、担当者は重要なセキュリティ概念や設定手順を正しく理解できていないことがあります。 また、新しいクラウドサービスや機能が継続的に追加されるため、最新のベストプラクティスが常に変わっています。
教育不足は、担当者が設定作業中に不適切な判断を下すリスクを高めます。例えば、不要なサービスへのアクセス権を制限せずに放置することで、未認証のユーザーが機密情報にアクセスできる状況を作り出すことがあります。このミスは、外部からの攻撃者だけでなく、内部の誤操作によるデータ漏洩の原因ともなり得ます。
監視システムの不備は、クラウド環境における不適切な設定、異常なアクセスパターンや不審なデータの動きを見逃す原因となり、結果としてセキュリティ侵害が発生してもそれを早期に検知できないことがあります。
例えば、クラウド上のデータベースへの不正アクセスが行われた場合、適切な監視ツールがあれば異常なアクセスを即座に識別し、アラートを発することができます。しかし、監視システムが不完全であれば、このような不正アクセスが長時間にわたって続く可能性があり、大量のデータが盗まれるリスクが高まります。
クラウド設定ミスは、設定の複雑さ、適切な教育の欠如、監視システムの不備という三つの主要因により引き起こされます。これらの問題は単独で発生することもあれば、互いに影響を与え合ってリスクを増大させることもあります。企業がクラウド技術を安全に活用するためには、これらの根本原因を理解し、適切な対策を講じることが必要です。設定の見直し、運用担当者の継続的な教育、そして強固な監視体制の構築が、クラウド環境を安全に保つための鍵となります。
クラウドサービス提供者が推奨するセキュリティベストプラクティスを適用することが、ミスを防ぐ第一歩です。これには、アクセス権の最小限化、データ暗号化、定期的なパッチ適用などが含まれます。
定期的なセキュリティチェックを実施し、設定ミスがないか確認することが重要です。クラウド環境には脆弱性検査やコンプライアンス検査を行い、管理することのできるセキュリティツールがあります。また、診断ベンダーではクラウド設定評価サービスを提供しており、設定ミスの洗い出しに加え、専門家のアドバイスや独自の評価が行われることや、報告書は経営層に報告できる形で提供されるなど、セキュリティツールでは得られないメリットがあります。クラウド環境に用意されているセキュリティツールと、診断ベンダーのクラウド設定評価サービスを定期的に利用することで潜在的なリスクを早期に発見し、対処することができます。
クラウド環境に対する正しい知識を担当者が持つためには適切な教育が必要です。クラウドサービスベンダーが開催している技術トレーニングやセミナーを受講することや、社内で学ぶことができるトレーニングプランを用意することによって、正しく最新の知識を得ることが可能となります。また、クラウドサービスベンダーが提供している資格の受験を通して学ぶことも一つの手です。教育には様々な手段がありますが、クラウド環境の知識を得るためのための体制を組織として設けることは、自社の体制強化や様々なリスクから自社を守ることに繋がります。
クラウド環境の利用は日々拡大しており、その利便性と効率性は企業運営において欠かせない要素となっています。しかし、それに伴うリスクも正しく理解し、適切に対応することが必要です。クラウド設定評価サービスを活用することで、これらのリスクを管理し、クラウド環境の安全性を高めることができるほか、クラウド環境のメリットをより安心して享受できるようになります。ユービーセキュアでもクラウド設定評価サービスを提供しておりますので、お気軽にご相談ください。ビジネスのリスク回避の為にも診断サービス等を活用し、クラウド環境の安全性を確保しましょう。