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脆弱性?脆弱性診断?セキュリティの専門家が徹底解説セキュリティ対策の疑問
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セキュリティの基本から脆弱性診断の深掘りまで、このシリーズがあなたのセキュリティ対策の疑問を専門家がわかりやすく徹底的に解説し解消します。
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スマートフォンアプリも脆弱性診断は必要ですか? 

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K.H.

2024年5月28日

スマートフォンアプリの普及に伴い、アプリへのセキュリティ対策の重要性が高まっています。アプリに脆弱性が存在する場合、ユーザの個人情報漏洩やデータの改ざんなど、深刻なセキュリティインシデントを引き起こす可能性があります。本記事では、アプリの脆弱性診断がなぜ必要なのか、どのようなリスクが存在するのか、そして脆弱性診断を受けるべきタイミングについて詳しく解説します。

スマートフォンアプリの脆弱性診断の必要性

スマートフォンアプリを開発する上で、セキュリティを考慮すべき観点は多岐に渡ります。一例として挙げると、データの保存方法、データの暗号化方式、ログの出力内容等です。ここではアプリに脆弱性が存在する場合のリスク、考慮すべきセキュリティ観点の一例、なぜアプリが脆弱性を抱えてしまうのかについて解説します。

スマートフォンアプリに脆弱性が含まれる場合のリスク

近年、スマートフォンアプリは人々の生活基盤と密接に関わる情報を取り扱っています。個人情報を保存するアプリや決済を実行するアプリのように、機微なデータ処理をアプリで実行することができます。このようなデータ処理がアプリで実行できるようになったことで、アプリのセキュリティ対策について必要性が高まっています。もしアプリに脆弱性が存在した場合、ユーザの財産やプライバシーが危険にさらされ、生活にも深刻な影響を与える可能性があります。例えば、アプリのデータ保存方法に問題がある場合、悪意のある第三者によってデータが解析され、アカウント情報や個人情報といった重要情報が漏洩するリスクがあります。また、重要情報をログに出力していた場合、内容が読み取られることで攻撃に悪用されるリスクがあります。さらに、アプリの脆弱性によってユーザに被害が発生すると、アプリを開発した企業が罰金や訴訟などの法的リスクに直面することもあります。これらのリスクを回避し、アプリの安全性と信頼性を保つためには、定期的な脆弱性診断によるセキュリティ対策が不可欠です。

スマートフォンアプリで考慮すべきセキュリティ観点の一例

スマートフォンアプリの脆弱性対策をする上で、様々なセキュリティ観点を考慮する必要があります。ここでは考慮すべきセキュリティ観点の一例を解説します。

  • データの保存方法
    スマートフォンにはデータの保存先として共有領域とアプリ固有の領域があり、データの用途に応じて使い分ける必要があります。共有領域に保存されたデータは他のアプリからの読み取りが可能なため、アプリ間で共有することを意図した用途に向いていますが、スマートフォンに悪意のあるアプリがインストールされている場合、読み取られたデータが外部に漏洩してしまう可能性があります。対してアプリ固有の領域は他のアプリから読み取りすることができません。共有することを意図したデータを除いて、アプリで扱うデータはアプリ固有のデータ領域に保存することが推奨されます。
  • データの暗号化方式
    データを暗号化する際はCRYPTREC暗号リスト に記載の安全性が認められた暗号化アルゴリズムを使用する必要があります。脆弱な暗号化アルゴリズムを使用している場合、暗号化したデータが復号され、情報漏洩に発展する可能性があります。前述のアプリ固有のデータ領域にデータを保存する場合でも漏洩するリスクはあるため、安全な暗号化アルゴリズムによる暗号化を施すことが必要です。
  • ログ出力内容
    アプリが出力するログに機微情報が出力されていると、悪意のある第三者によってログの内容が読み取られる危険性があります。例えばアプリとサーバ間のHTTP通信の内容をログ出力している場合、ユーザのアカウント情報や接続先のサーバの情報が漏洩する可能性があります。

このような観点でセキュリティ対策ができていないと、アプリの安全性を損なうだけでなく、ユーザからの信頼を失墜させる可能性があります。脆弱性診断を実施することで、これらの観点でアプリの安全性を検証することができます。

スマートフォンアプリが脆弱性を抱える理由

スマートフォンアプリが脆弱性を抱える原因は様々ですが、多くは、開発プロセスの急速な進行によるセキュリティ対策の不備、開発者のセキュリティ知識の不足、脆弱性の含まれた外部ライブラリの使用などです。アプリ開発では限られた期限や予算があり、セキュリティ対策に十分な時間を割けないことがあります。また、開発者に十分なセキュリティの知識がないこともあります。そういった場合はセキュリティ対策に時間を割く必要性を認識できないかもしれません。

脆弱性診断を受けるべきタイミング

脆弱性診断を実施するタイミングについてはアプリ開発のスケジュールに合わせた、最適なタイミングを見極めることが重要となります。以下では、脆弱性診断を受けるべき主なタイミングについて解説します。problem09_image

新規リリース前

アプリを新規リリースする前の最終チェックとして、脆弱性診断を実施することを推奨します。この段階での診断により、それまでの工程で発見されなかった脆弱性を特定し、修正することができます。

機能追加や大幅な改修後

アプリに新しい機能を追加した場合や、既存の機能を大幅に改修した後は、それらの変更が新たな脆弱性を混入させていないかを確認するため、脆弱性診断を実施することを推奨します。

サードパーティーライブラリの変更後

アプリで使用するサードパーティーライブラリを変更した際には、その変更がアプリのセキュリティにどのような影響を与えるかを把握するために、脆弱性診断を実施することを推奨します。また、最新バージョンではないサードパーティーライブラリには既知の脆弱性が報告されている可能性があります。

定期的な診断

アプリの用途やデータの機密性に応じて、年に1回または半年に1回程度の定期的な脆弱性診断を実施することを推奨します。これにより、新たに発見された脆弱性を検出できる可能性があります。定期的な診断を実施することにより、アプリ開発者のセキュリティに対する意識を高められることも期待できます。

セキュリティインシデント発生後や第三者からの指摘を受けた時

情報漏洩や不正アクセスなどのセキュリティインシデントが発生した後は、原因究明と共に、類似の攻撃を防ぐための脆弱性診断を実施することを推奨します。これにより、アプリのセキュリティ対策を見直し、インシデント再発を防ぐことができます。また、公開しているアプリについて、ユーザやセキュリティ研究者からの脆弱性に関するフィードバックや指摘を受けた場合、その指摘が妥当であるかを確認し、必要に応じて脆弱性診断を行います。

 

これらは一例ですが、脆弱性診断を実施するためにはアプリの特性や開発サイクルを考慮した適切なタイミングを見極めることが重要です。

アプリのセキュリティを確保することは、単に技術的な問題ではなく、企業が負う社会的な責任でもあります。アプリの脆弱性は、ユーザのプライバシーやデータの安全性を脅かすだけでなく、企業の信頼性やブランド価値にも悪影響を与える可能性があります。脆弱性診断を実施することで、これらのリスクを早期に特定し、適切な対策を講じることができます。アプリのセキュリティを確保し、ユーザの安全を守るために脆弱性診断は重要なプロセスとなります。

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